高知県の駄菓子屋さん "正解のない"居場所づくり
優しい間を体験するイベント「HIPAHIPAウィーク!」のボランティア受け入れ団体に、地域での実践のお話を聞きました。
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今回話を聞いたのは「だがしやふぃーか」を運営する、高知大学4年生 もりすみさん。
「だがしやふぃーか」は2021年5月のHIPAHIPAをきっかけに生まれた取り組みのひとつ。高知県にある6畳ほどの民家で、駄菓子と遊び道具を用意して、子どもが気軽に立ち寄れる場を運営しています。
<地域の子どもたちの居場所に>
近くに小学校があることもあり、訪れる子どもの9割近くが小学生。日々10人くらいの子どもたちが遊びに来るだがしやふぃーか。
"駄菓子はあくまで入り口。地域の大人や大学生と、子どもとの関係性が紡ぎ出せる場所になれば" そんな思いで立ち上げたということもあり、子どもへの何気ない声かけを大切に積み重ねてきたそう。「今日なにして遊んだの?」そんな会話が行き交うだがしやふぃーかには、お菓子を買うだけではなく、数時間居座ってスタッフと遊んでいくような子どもたちも多く、彼らの居場所のひとつになっています。
<子どもたちの中から生まれる遊びを大切にしたい>
駄菓子屋、と銘打ちつつ、過ごし方遊び方も本当に自由。絵本やトランプも置いてありますが、いつも自然と子どもたちから遊びが生まれているそう。お店のストローを大量に使って、自分たちで釣竿をつくって釣りごっこをしたり、ストローでゼリーを飲んでみたり。自分たちで滑車を作ってみたり、新しいボール遊びを考えてみたり。「あるもので勝手に作ってきます。こっちが意図したものでその通りに遊ぶことはないです。笑」ともりすみさん。
<子どもがのびのびいられる居場所をつくるために>
"子どもがのびのびといられる居場所"になっているだがしやふぃーか。
その背景にあるのは、CforCでの学びでした。
CforC受講生でもあるもりすみさん。「子どもとの関わり方には正解がない」ということを学んだからこそ、今、目の前の子どもの行動とかを見て関わるということを大切にすることができていると話します。
だがしやふぃーかには「ルール」がありません。「これは決まりだから駄目」とルールで子どもを縛るほうが簡単、それでも、その時その時の目の前の子どもの行動や様子を見て、何がベストか考えることを大切にしています。
同時に大事にしているのは、子どもと関わるスタッフ自身のリフレクション。日々子どもと関わる中での出来事、そのときの感情と自分の行動、その行動はどんな思いや価値観から来ているのか。CforCで学んだ、自分と向き合い方を、日々の振り返りに取り入れ、現場のスタッフたちとともに実践していると言います。
<むすびに>
こうすれば子どもたちの居場所がつくれる、これがあれば絶対に子どものためになる、という「正解」はもしかしたら無いのかもしれない。有るのはただ、"目の前の子どもを見つめ、子どもの中から出てくるものを大切にし続けること"そして"子どもと関わる自分と向き合い続けること"なのかもしれません。
執筆:添田瑠璃