CforCに参加して~世代や背景を越えた交流が大切な居場所に~
この記事は、CforCの修了生がプログラムを終えて、変化や感想について書いた文章です。
CforCプログラムに参加した理由
CforC プログラムのことを知ったのは「子どもと寄り添う優しい"間"を紡ぐ」というPIECESのメッセージが気になって「PIECES活動説明会」に参加したときですが、それは、一昨年の春に仕事を引退してこれからの人生をどう生きていくかを考えているタイミングでした。
それまで仕事中心の生活で子どもと接する機会はほとんどなかったものの、子どもと関わることへの興味はあって相談会にも参加してみて、自分にとっては未知の世界でしたが、子どもとの関わりを含めて自分の世界が広がるかも知れないという期待があり、思い切って参加してみることにしました。
みつめるコースで体験したこと
※CforCには、3つのコースがあります。
「みつめるコース」はCforCの基礎編として、3つの講座とゼミで市民性を探求します。その後、さらに学びを深めたい人向けに2つのコースを行っています。「うけとるコース」では、子どもとの関わりを振り返っていきます。「はたらきかけるコース」では、前述した2コースの内容に加え、さらに3つの講座・ゼミから自分らしいアクションを探求していきます。
一年前の自己紹介カードを見直してみると、今でも交流が続いているお馴染みの人、いろいろな事情で「みつめるコース」の途中や終了後に離れてしまった懐かしい人、そして運悪く出会う機会がなく知らずに終わってしまった人がいましたが、参加者の多くが子どもと関わる仕事や活動をされている人たちでした。そのような参加者の皆さんにまったく別の世界からきた自分が着いていけるのかという不安があって、初めてのオンラインでの顔合わせのときはかなりドキドキしていましたが、一方で、何が起きるかという期待も大きく、半分は開き直って参加していたように思います。
そして実際にコースが始まってみると、これまで知らなかった世界の動画を見てゼミに参加するほかにも、自主ゼミに参加したりクラス内の係の活動があったりして、それらのすべてにかなり全力で参加したので予想以上に忙しかったのですが、それでもゼミの講師の方々のお話しや活動の中での皆さんとの交流から受ける刺激は多く、エキサイティングに楽しめていたと思います。
なかでもゼミでお話しを聞いたビーンズ福島の山下仁子さんの子どもを信じ切って心で向き合う姿勢には感動を覚え、勇気を貰い、ある意味で自分の考えと行動の支えにもなっています。
背中を押されて「はたらきかけるコース」に進むことに
「みつめるコース」の期間中は残念ながら実際に子どもたちと関わる機会がなく、9月にコースが終わったときもまだコロナ感染は収まっておらず、次のコースに進んでもリアルでの活動ができるかどうか分からない状況でした。そんななか、一旦ここでやめようかと考え始めていたのですが、その一方で、それまでに出会った人たちとの交流の場がなくなってしまう寂しさも大きく、どうするか悩んでいたときに、最終ゼミの放課後の時間だったと思いますが、何人かの方とお話しする中で背中を押されたことから、最後の最後でしたが、「はたらきかけるコース」に進む決断ができました。
そして、その後も続いたCforCとの関わりを通して、自分の人生を変えるほどのインパクトがある体験と交流ができたので、いま振り返れば、あのままやめていなくて本当に良かったと思っています。
「はたらきかけるコース」で体験したこと
「はたらきかけるコース」は、それぞれ月に1回のリフレクションとゼミに参加するプログラムでしたが、なかでも自分自身が実際に子どもと関わった1シーンを切り取り、そのときの心の動きを振り返って言葉にし、そのシーンの1コマ1コマに対して参加者とともに問いと答えを重ね深く見つめていく「リフレクション」というプログラムは、とてもインパクトの大きいものでした。それによって、自分を見つめ直すことだけでなく、参加者の間での信頼関係が深まり、CforCのコミュニティーが文字通り「優しい間」となっていった実感がありました。
また、このリフレクションに参加するために自分なりに積極的に子どもたちと関わる場に参加したことで、実際に子どもと真剣に対峙する体験が得られ、それをさらにリフレクションの場で深く見つめられたことも自分自身の成長に繋がる貴重な体験になったような気がします。
そのほかにも、PIECESメンバーとCforC参加者とで行ったオンライン合宿やリアルで集まったピクニックに加えて、参加者やチューターさんの活動の現場を訪ねたことや、遠方からやってきた参加者とのリアルでの交流が実現したことも、年代を越えた親交をさらに深めることに繋がりました。その関係は今でも続いていて、自分にとって、これからもずっと続いていくであろう掛け替えのない居場所のひとつになりました。
CforCプログラムを終えて思うこと
私自身は直接子どもや福祉の世界と関わった経験がない高齢者で、ある意味で異色の存在としてCforCに参加していましたが、そんな私でも暖かく受け入れてくれる CforCの世界と出会うことができ、安心して何でも話せて、恐らくこれから先もずっと繋がっていられる仲間が得られました。そのことが、自分にとっての最大の収穫だったと思います。
また、CforCプログラム終了後にフォローアップとして行われたアクションサポートプログラムにも特にプランもないまま思い切って参加してみたのですが、その後に思いつきで考えたアイデアが、ほかの参加者の方のサポートも得られたこともあって、「旅する絵本図書館」というプロジェクトを立ち上げることに繋がりました。1年前にCforCにへの参加を決めたときには、こんなことになるとは想像していなかったことで、これは自分自身の成長の証しと言えるかも知れません。
このようにCforCの様々な活動や交流を通じて学び考えたことは数知れず、そのひとつひとつが一人の市民として子どもたちの世界も含んだ「市民社会」と関わっていく中での大きな力となってくれる、そう信じることができる自分になったと思います。
CforC2021修了生 中村滋(シゲさん)