まちの図書館「なにかし堂」と昭和レトロな商店街のあたたかな日常
*こちらは修了生のスポットに遊びにいくイベント「HIPAHIPAweek」で作成したnote記事を転載しています。
都電が走る昭和レトロな商店街
東京都荒川区にある「ジョイフル三の輪商店街」。アーケードをくぐると、道がまっすぐに約500m伸びていて、左右には店舗が立ち並んでいます。スーパーには主婦の方や高齢の方が通路にはみ出るくらいいて、とても賑わっているため通るのも少し大変なくらい。さらに進むと、お総菜や唐揚げのような食べ物屋さんだけでなく、純喫茶や雑貨屋さん、銭湯など、昭和レトロな雰囲気を感じさせる場が目に留まります。小学生が商店街横の公園で走り回っていたり、握りしめた小銭でおにぎりや駄菓子を買って食べていたりする姿もありました。
すぐ近くには都電荒川線の終点三ノ輪橋駅があり、桜の時期は人気スポットとなっています。
街の図書館「なにかし堂」での様々な過ごし方
そんな商店街の一角にある、手づくり感溢れる看板が目印の「なにかし堂」。一見どんな場所なのかよく分からないという方も多いですが、私設の図書館を運営しています。入口前には店主のおすすめ本が紹介されています。
もちろんその場でも本を読むことができますが、なにかし堂は「その人が、そこに居る。それでいい。」ということを大切にしています。そのため、行くことに目的は不要です。スタッフと雑談したり、ゲーム機を持ち込んで友達と対戦したり、ただ一息ついたり、過ごし方は様々。ある日ふらっと行ってみたら、その場にいた大人と子どもが混ざってジェンガで遊んでいて、気づいたら自分も一緒になって楽しんでいた、なんてできごともあったそうです。
文化祭のアドバイス!?人とのご縁からはじまる、「なにかしたい」を応援できる場
店主の野口さんは、「なにかしたい」気持ちになるきっかけをつくれたらという意味を込めて、この場を「なにかし堂」と名付けました。最近、とある高校生が、文化祭を企画するため運営のアドバイスが欲しいということでなにかし堂へやってきたそうです。経緯を聞くと、ある方から紹介されたとのこと。その方は、なにかし堂ができてまもない2020年の夏頃に訪ねてくれた、上野にあるバーの経営者。少し接点があったものの特段やりとりはありませんでしたが、高校生を応援したいという気持ちで紹介されたそう。
人と人が繋がり、思わぬ形でご縁が結ばれる。なにか始まるきっかけってこういうことなのかな。野口さんはそう感じたと言います。近々その方と再会するとのことで、楽しみだそうです。
なにかし堂
【定期開催日】 毎日13:00-19:00(水曜日定休)
*不定期でお休み頂く場合がございます。
【住所】 東京都荒川区南千住1-25-11
(東京メトロ日比谷線三ノ輪駅徒歩8分 / 都電荒川線荒川一中前徒歩3分)
編集後記
初めてなにかし堂を訪れたのは2021年3月。店主の野口さんとの共通の知り合いの方から紹介を受け、近くに住んでいるわけではありませんが、何となく興味を持ったので行ってみることに。
ですが当日、目の前に着いた途端に緊張が走りました。中はどんな雰囲気なんだろう、うまく話せるかな、ちょっと引き返したいかも、なんて思いながらそっとドアを開けました。すると野口さんが出迎え、この場の話をしてくださいました。聞いているうちに緊張は解けていき、その後は側にいた中学生の女の子と会話したり一緒に遊んだり、気づけばこの場を楽しく過ごしている自分がいたのです。それから定期的に足を運び、わたしにとって1つの居場所となりました。
執筆者:はるか
編集:くりちゃん